奨学金でFラン大学入る意味ってあるの?

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奨学金延滞率の高い大学ランキング

先日、「東洋経済ONLINE」が<全大学「奨学金延滞率」ランキング>を発表しました。

ワースト1位となった至誠館大学では13.9%、約14%の卒業生が奨学金の返済を延滞していることが分かりました

私はこのニュースを見る前から、知名度も偏差値も低い大学、いわゆる「Fラン大学」に入る意味はほとんどないと思っていました。

もちろん、親御さんが裕福で子供を大学に行かせるくらいの貯蓄は十分にあり、「どこでも良いから大学行っとけ」と言うのでFラン大学に通うなら何の問題もありません。

でも「高卒よりはマシだろう」ぐらいの気持ちで、給付ではなく貸与の奨学金という多額の借金を背負ってまで入る価値が、Fラン大学にあるとは思えないのです。

新卒採用面接官をやった経験のある私が、「高卒よりマシ」な学歴の為にFラン入るぐらいなら、看護系など就職先に直結する専門学校を出る方がよっぽど良いというお話をしていきます。

※本ページにはPRが含まれます。

奨学金の延滞率が高い大学の偏差値を調べてみた

順位大学名偏差値

1位 至誠館大学 BF
2位 芦屋大学 BF
3位 日本映画大学 35
4位 鈴鹿大学 BF
5位 プール学院大学 37.5
6位 福岡国際大学 43
7位 浦和大学 BF
8位 サイバー大学 BF
9位 東京女学館大学(閉校) 41
10位 九州情報大学 BF

※偏差値は学部によって異なるため、最も受験者数の多い学部の偏差値を記載しています。

※「BF」とは偏差値がつけられない、誰でも受かる状態の「Border Free」の略です。

※偏差値等のデータは、旺文社「パスナビ」より(6位、8位、9位は掲載が無かったため、出典不明の情報です)。

1位から10位まで見事にFラン大学ばかり!

清々しいまでにFラン大学しかいません。

ついでに20位あたりまで調べてみましたが、まさに「名前が書ければ入れる大学」を体現したような学校のオンパレードでした。

偏差値は調べてないもののずーっと見ていき、「名前は見聞きしたことあるな」という大学が3割以上になるのは150位以下になってから。

1位から150位までの無名大学群に並ぶ学校の数%の卒業生は、奨学金も返せないほどの経済状況に追い込まれていることが分かります。

1位の山口県にある大学を始めに、比較的地方の大学が多い傾向は確かに見られますが、かといってこのランキングの下位(奨学金を返している卒業生が多い大学)は、東京や大阪などの大都市近郊にある大学ばかりではありません。

地方にある大学でも、しっかり返せている所は返せているのです。

そうなってくると、やはり「出身大学」の影響が大きいのではないかと見ざるをえません。

Fラン大学とは?この記事での定義

河合塾が定めた定義によれば「偏差値35以下」という基準があるようですが、一般的な認知では偏差値が35以上あってもFラン扱いされてる大学はいっぱいあります。

この記事におけるFランとは、「偏差値40台前半以下で、入試倍率の平均が1倍の大学」としています。

平たく言うと、「偏差値も低ければ、人気も知名度も低い大学」です。

逆に延滞率が低い大学は?

逆に延滞率0の優秀な数値を誇る大学はどうなのだろうかと思ってみてみたところ--

奨学金延滞率ランキングBEST10

医療系大学ばっかじゃん!そりゃ手堅く就職出来て、手堅く稼げるよね、はい、解散!

となって参考にならなかったので、もう少し上を見てみたところ、急に国公立大学が目立つようになっていました。

奨学金延滞率の高い大学ランキングその3

東京大学が含まれているように、国公立大学は基本的に偏差値高めではありますが、青森県にある弘前大学なんかは45~53とやや低め。

必ずしも偏差値高いところがちゃんと返済していて、低いところが返済してないとは言えないようです。

やはり物を言うのはブランド力か?

偏差値の高い「超難関大学」「有名大学」がブランド力を持っているのは、言わずもがなです。

では、偏差値が高くなくて、さほど有名でもない国公立はどうなのか。

そこにはやはり「国公立大学」というブランド力があると思います。

少なくとも国公立大学に入学出来てる時点で、主要5科目を満遍なくきちんと勉強したという実績が感じられます。

同じ偏差値40台後半でも、自分の得意科目にだけ偏らせて私立大学を受験して40台後半しか取れない子とでは印象が違うのです。

国公立大学出身というだけで、好き嫌いじゃなく、必要なことは最低限ちゃんとやる性格してそうだなと思えます。

就職においてFラン大学じゃ意味がないと感じたキッカケ

冒頭でも書いた通り私は昔、新卒採用の面接をやったことがあります。

東早慶出身全員が有能だとは言いませんが、やっぱりそれなり大学出身の子は、それなりだなと感じました。

でも個人的体感として、日東駒専以下の学生さんはよっぽど目立った経歴か資格がないと、かなり不利です。

(※日東駒専:日本大学・東洋大学・駒沢大学・専修大学。平均偏差値53~55くらいの、上でも下でもない大学。関東での知名度は高め。関西で言うところの産近甲龍クラス)

日東駒専以下が相当不利であると実感した日

余談ですが、私はMARCHにアッサリ落ちて日東駒専に何とか入れた程度の人間です。

ですから心情的には日東駒専、もしくはそれ以下の大学の子に傾きやすいはずなんです。

彼らを不合格とするのは、昔の自分を否定するようで心苦しいから。

でも、私は力なき平社員ですので面接合格にしたい場合、上司に「なぜこの学生が良いのか」を報告(説得?)しないといけませんし、「この学生を1次面接通過とする許可」をもらわないといけません。

この報告と許可は、ただの報告と許可ではありません。翌年の採用担当者にとっての「前例」となるものです。

「私が日東駒専出身だから親近感湧いたんです」なんてアホな理由は言えません。

「誰が見ても」「納得しやすい」「明確な理由」が必要です。普遍的で、端的な物が。

そんな時「超難関大学出身」というブランドは、とっても使いやすいし、通りやすいのです。

「性格にクセもなく、一般常識もそれなりに備わってましたよ、この東大生」だけで済むんです。

これがFラン大学だと

私「学生時代に独学で作ったというこのシステムがなかなかよく出来てまして」

上司「それ製作期間どれぐらい?」

私「1年って言ってました」

上司「Aさんは入社してから3ヶ月で同じぐらいのもの作れたよ。これだけじゃ推薦理由として弱いよ」

私「あぅ…」

となってしまうのです(※実際の会話とは異なります)。

「実務に直結する知識も経験も持っているFラン学生」より「扱いにくく無いだけの東大生」の方が強かった。これが現状でした。

「意志」に信頼感を持たせるのが学歴です

企業にとって一番嫌なのは、せっかく採用したのにすぐ辞められてしまうことです。

だから、「この子は一度決めたことはきちんとやる子だ」「意志が定まれば、簡単には諦めない子だ」と思える学生さんを見出したいのです。

業種によっては体育会系出身が好まれる事も多いと聞きますが、それも同じ「意志の強さ」に信頼感が持てるからだと思います。

「頑張って良い大学入ろう!」「あの大学に入るぞ!」と意志を持って目標を立て、それを完遂した。

大学入試の勉強が大変なのは、元大学生である社員なら全員分かっているから、その「完遂した」という実績に信頼を持つのです。

Fラン大学が軽視される理由

その点、入学志願者が全員合格となるFラン大学出身では、実績の証明にはなりません。

<頭の良さ(知識の豊富さではなく、理解力や思考力という意味)、要領の良さ、先を見据えて動ける冷静さ。>

それらのいずれかが備わってれば、Fラン大学は選ばないだろう、Fラン大学にしか入れないなんてことは起きないだろう。

そう思ってしまいます。

単親家庭で貧しく、バイトで生活費を稼いでいて勉強どころではなかった場合も有り得ますが、2年の面接経験しかない私ですら、単親家庭ながら日東駒専以上の大学に入った人は珍しくありませんでした。

「単親世帯は、住民税非課税世帯で、給付の奨学金を貰える可能性がある」「給付は無理でも無利子の奨学金を狙う」

私が面接した学生さん達はきちんとそういった情報や目標を、早い段階で自分から学校の先生に相談して得ていました。

単親世帯だから進学するのにも障害があるかもしれないと考えられる思考力。

親だけでなく学校の先生に相談する、要領の良さ。

遊びたい盛りの年頃に、将来のために動ける冷静さ。

この3つは少なからず備わっていたように思います。

Fラン大学に入った時点で、客観的に物事を考えられない、考えられたとしてもその後の行動や判断に繋がらない、分からないことを自ら相談出来ない、何となくで生きてきた子だと思われてしまうのではないでしょうか。

そんな子の「御社の企業理念に共感し、入社したいという強い意志が湧き、志望しました」なんて言葉は、申し訳ないですが信用出来ません。

あなたは何百万もの借金を背負って、就活でむしろ不利になるだけの肩書を買うんですか?

あまりに勿体無いと思いませんか?

今、中学生・高校生の皆さんへ(もしくはその親御さんへ)

長々と書きましたが結論としては、ブランド力も無ければ、「意志への信頼感」の証明にもならない私立Fラン大学には、借金してまで行く価値はありません。

私立大学なんて卒業するまでに400万円以上かかります。専門学校ならその半分で済みます。

Fラン大学に入るぐらいなら、就職先が明確な専門学校に通う方がよっぽど実利的です。

ただ、専門学校に入ってしまうと方向転換がしにくいというデメリットもあります。

高校生の時点でのやりたいことなんて、数年で変わってしまって当たり前ですから、よっぽど確固たる夢がない限り、就職先までまっしぐらな専門学校に通うのはリスキーとも見れます。

見聞を広めるための期間として大学の4年間を使うのが無駄だとは思いませんが、最悪でも日東駒専クラスの大学には入っておくべきです。

4年間ブラブラと無為に過ごしきり、サークルにもゼミにも参加しなかった駄目大学生でも、残業ほとんど無しで毎年ボーナスがちゃんと出る会社に入れています。

とはいえ、日東駒専クラスに入っておけば就活がスムーズかというと、そんなことはありません。私も「祈る」って言葉が大嫌いになるぐらいには不採用通知をいっぱいもらいました。

ただ最後の最後でどっかに引っかかる希望が見えやすいのが日東駒専レベルなだけで、どこ行ってもそこそこ高待遇なのはMARCH以上です。

よって、目標を「早慶上智合格」、本命「MARCH」、手堅いところで「成成明学獨國武」クラス、滑り止めで「日東駒専」くらいで勉強することをオススメします。

ご家庭の事情で予備校などに通う余裕がない場合でも、授業中は寝ないでノートを取り、家では宿題をきちんとやりつつ教科書を読み込み、分からないところは先生に聞くだけでMARCHレベルなら十分合格出来ると、私の同僚の慶応出身が言っています。

学歴じゃなく、実績を残せ

ここで私が言いたいのは、目標を立てて、完遂した実績を残そうということです。

例えば慶応出身でも、幼稚舎からずっと慶応で、何となくエスカレーターに乗ったままでしたっていう子より、「高校時代、部活でインターハイに出るという目標を立て、3年生の時に実現出来ました」という経歴を持つMARCHの子の方が強いと思います。

学歴が強いのは、その大変さ、難しさが分かりやすいというだけで、「実績」として見えるものなら最悪何でもいいです。

それこそ部活でもいいですし、何かの資格でもいいです。

アルバイトを同じ場所で4年間ずっとし続けたとかでも、多少の実績にはなると思います(他の要素の補完程度だと思いますが)。

「頑張りました」「仲間と協力することの大切さを学びました」とかじゃなく、意志の強さを示せるように伝えられればOK。

今現在就活中の方も、是非、「自分の意志」がブレることなく、明確に伝わるよう、実績を提示してみてください。

頭でっかちな学歴主義に引っ張られて、無駄な借金を背負って、返せなくなってしまう若者がいなくなることを願っています。

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この記事を書いたライター:ミツボシ

※データ・画像引用元:東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/168512

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